日本が「失われた×年」といわれてはじめて、10年、20年、30年……。かつて国際社会で目覚ましい発展を遂げてきた日本は、今ではただ停滞の時を重ねるばかりである。
それは日本が、明治維新で得た近代化の成功体験から抜け出せず、「明治維新モデル」ともいうべきやり方にいつまでも固執しているからだ。
日本企業や教育機関の国際競争力がのきなみ低下していく中、沖縄県科学技術大学院大学(OIST)は、Nature Index2019年版「質の高い研究機関ランキング」において世界9位(日本1位)を獲得した。
数々の政策関係機関に携わり公共政策を研究してきた著者は、OISTに日本が進むべき方向性と新たな飛躍の可能性を見出す。
なぜOISTに優秀な人材が集まるのか、OISTの存在が日本にもたらす意味とは……実際に客員研究員としてOISTに滞在した筆者が、その内実を詳しく解き明かす。