諏訪哲郎 編著、小堂 十、新井 雅晶、丸茂 哲雄、多田 孝志 著
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標である。
杉並区立西田小学校は2014年にユネスコスクールの指定を受けて、ESDを学校経営の根幹としてSDGsの学びに取り組んできた。生活科や総合的な学習の時間を柱に、自然、環境、地域遺産、福祉、まちづくり、世界環境、平和や国際協力、SDGsを意識づける学校環境」などに取り組んできた。
山梨県須玉小学校ではSDGsの学びにより、児童の授業への参加度が劇的に向上。長坂小学校では、チーム長坂小として、JICAや保護者、地域の方々、様々な専門家とともに学校づくりを進めてきた。
本書では、2校の事例を取り上げ、「SDGsの学び」の可能性について論じている。
学校現場の管理職や教員、教育の政策に携わる人々、保護者・学生・研究者、NPO・NGOのスタッフなどに読み応えのある一冊。
諏訪哲郎(すわ てつお)
学習院大学文学部教育学科教授、理学博士
日中韓環境教育協力会代表(2001年~)、日本環境教育学会編集委員長、同事務局長、会長を歴任
小堂十(こどう つなし)
前 西田小学校校長。現在、杉並区立八成小学校主任教諭
杉並区唯一のユネスコスクール西田小学校で、ESDやSDGsに取り組み、2019年度ESD大賞(小学校部門)受賞
新井雅晶(あらい まさあき)
杉並区立西田小学校副校長
丸茂哲雄 (まるも てつお)
前・北杜市立長坂小学校・須玉小学校校長)、前・北巨摩校長会会長
共創型対話学習研究所理事・山梨共創研究会代表
多田孝志(ただ たかし)
金沢学院大学教授、目白大学名誉教授、共創型対話学習研究所所長
日本学校教育学会元会長 日本国際理解教育学会元会長 文科省国際交流教関連事業委員長
2020年2月1日 刊行/A5判 246ページ
定価2,000円+税
ISBN 978-4-904933-16-9
目 次
まえがき
第1章 未来を築く「SDGsの学び」 学習院大学教授 諏訪哲郎
1 SDGsの学びとは
2 なぜ「SDGsの学び」が必要なのか
3 「ESDの学び」と「SDGsの学び」の違い
4 ESDの経験から学ぶべきこと
5 「SDGs の学び」を実現するには
6 「地域密着型私塾的NPO」の可能性
7 「SDGsの学び」の運営上の要点
8 「SDGsの学び」のさらなる展開- 2050 年に向けて
第2章「SDGsの学び」のアクティブ・ラーニング 諏訪哲郎
1 アクティビティを通した学び
2 「つながり発見ウェビング-SDGs編」
3 「SDGs17 目標の達成可能性推測マップ作り」
4 「SDGs足りないもの探し」
5 学生の創作アクティビティ
6 「SDGs認知度インタビュー」
7 「SDGsの学び」のプログラム化の試み
第3章 時代を生き抜く学校への挑戦―教科書にはない価値を求めて―
(ユネスコスクール 杉並区立西田小学校の事例)
杉並区立西田小学校 前校長 小堂十、副校長 新井雅晶
1. ESD子ども報告会2018の感想より
2.「ユネスコスクールって何?」から始まった基盤づくり
3. 6年間のテーマ学習で育てる
4. 西田型研究協議会とは
5. 多様な国際交流活動(SDGsに向けて)
6. 広がるNISHITAのホールスクールアプローチ
7. 本当に「教師が変わり、児童が変わり、地域が変わり、学校が変わった」のか?
第4章 SDGsのゴールにむけて 今、学校ができること
(山梨県北杜市立須玉小学校、長坂小学校の事例)須玉小学校 前校長 丸茂哲雄
1 はじめに
2 1年間でも学校は変われる!-須玉小学校の実践-
3 対話型の学び合いを根底におく-長坂小学校の実践-
4 共創研の仲間と学校の壁を超えた学び
5 深い対話&SDGsのゴールに向けて
私の人生とSDGs
第5章 教育の人類史的大転換を前にして
金沢学院大学教授 多田孝志
1 グローバル時代の現実化と異質との共生社会に対応した教育
2 異との共生
3 持続可能で希望ある未来を構築できる人間育成に資する新たな学び
4 グローバル時代の対話力の活用
5 競争社会から共創社会への転換
6 「実践の智」の提唱
7 「実践の智」の事例紹介
あとがき
Discussion
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